世界のワインのコラム
【イベントレポート】ソワレ・ヴァン ~秋に楽しむプレミアムワインマルシェ~
テーマは秋冬おすすめのプレミアムワイン
まだ残暑厳しい9月18日(水)、ホテルモントレ銀座様にて『ソワレ・ヴァン ~秋に楽しむプレミアムワインマルシェ~』を開催いたしました。
今回は、シャンパーニュやブルゴーニュ、ロワールなどのフランスワインを中心に、ポルトガル、日本、マデイラなどと、秋冬におすすめのプレミアムワインをご紹介しました。
これまでのイベントではポルトガルワインが中心だったため、ポントヴィーニョにフランスワインの印象をお持ちでない方もいらっしゃるかもしれませんが、実は当店のフランスワインのラインナップは非常に充実しています!その一端として、今回はポントヴィーニョで通常販売していないシャンパーニュや、先行販売のブルゴーニュ、数量限定ワインなども多数出品しました。
シャンパーニュ ジャック・セロス 特別有料試飲と充実のシャンパーニュ・ラインナップ
今回は会場限定で、通常ポントヴィーニョで販売を行っていないジャック・セロス(ポントヴィーニョでの取り扱い無し/木下インターナショナルのHPに遷移します)のシャンパーニュの特別有料試飲を実施しました。
ジャック・セロスは、約5,500社あるRMシャンパーニュ生産者の中でも突出した存在感を放ち、カリスマ的な人気を誇っています。現当主アンセルム・セロスは、自然農法を提唱した農哲学者 故・福岡正信氏を師と仰ぎ、独自の自然農法でブドウ栽培を行っています。彼のワイン造りにおける哲学や情熱は多くの人々を魅了し、数少ないセロスのシャンパーニュを世界中の愛好家が探し求めています。
今回は「イニシャル ブリュット NV」と「ロゼ ブリュット NV」の2種類の有料試飲を行いました。イニシャルはセロスのスタンダードNVシャンパンで、平均樹齢40年のアヴィーズ、クラマン、オジェのグランクリュ畑のシャルドネから造られています。樽発酵・樽熟成で、奥行きと重厚感が感じられ、余韻も非常に長い味わいです。ロゼは、オジェのシャルドネとアン・ボネイのピノ・ノワールをブレンドしており、骨格と筋肉のあるスポーツマンをイメージして造られました。希少なシャンパーニュを味わえる機会とあって、何度も試飲される方が多く、セロスのシャンパーニュの求心力を改めて実感しました。
その他にもシャンパーニュコーナーでは、シャンパーニュ スェナン(ポントヴィーニョでの取り扱い無し/木下インターナショナルのHPに遷移します)の試飲と会場限定販売を行いました。スェナンは、アグラパールをはじめ、注目の造り手らからなるグループ「テール・エ・ヴァン・ド・シャンパーニュ」の新たな生産者として、初めて入会を許された生産者です。現当主で4代目のオレリアン・スェナンは、化学合成肥料などの使用を極力抑え、畑が持つ本来の姿を表現できるように、コート・デ・ブランの畑では除草剤の使用を一切中止しています。よりダイナミックでエネルギー感に溢れるシャンパーニュを造るため、ビオディナミによるブドウ栽培を実践しています。
また、ビオディナミを実践し、RM生産者の中でもトップクラスの評価を受けるラルマンディエ-ベルニエや、ムニエから最高のシャンパーニュを造り出すクリストフ・ミニョン、モンターニュ・ド・ランスにプルミエ・クリュとグラン・クリュの畑を持つRC生産者(ブドウ生産者共同組合)コラン-ギョーム、円やかでジューシーな味わいと特徴とするピノ・ノワールを中心に栽培するコート・デ・バールのアルノー・ド・シューラン、テロワールの多様性を尊重しながらシャンパーニュ造りを行うルナール・バルニエ、などシャンパーニュの豊富なラインナップをお楽しみいただきました。
人気のブルゴーニュコーナーや注目を集めるロワールコーナー
秋冬に楽しむプレミアムワインがテーマということで、お勧め上質ワインを多数出品し、どのブースも人だかりでしたが、その中でも元々の生産量が少ないことに加えて、世界的な需要の高まりから、近年価格が高騰しているブルゴーニュのコーナーは、やはり人気が集中しました。
ブルゴーニュが入手困難なことから、同じブルゴーニュの地域内の格付けの低いワイン、ピノ・ノワールやシャルドネなどブルゴーニュと同じ品種で造られた別地域のワイン、別品種で造られたブルゴーニュに似た味わいのワインなど「ネクスト・ブルゴーニュ」に注目が集まっています。その陰で密かに人気が高まっているのが、上質な造りながらも比較的手ごろな価格を維持しているロワールワイン。こちらのコーナーにもお客様が集中し、注目度の高さがうかがえました。
ブルゴーニュコーナーではシャブリからボジョレまで、数量限定ワインや今回イベントでの先行販売ワインなど、充実したラインナップでお届けしました。プルミエ・クリュのモンマンやヴァイヨンを出品したシャブリの造り手ジャン・コレ・エ・フィスや、ニュイ・サン・ジョルジュの生産者シコト、先行販売したマルシャン・フレールのブルゴーニュ アリゴテなどがよく飲まれていました。
たくさんのお客様が立ち寄ってくださったロワールコーナーでは、ソーミュールのル・プティ・ドメーヌや、モンルイのフランソワ・シデーヌが特に好評でした。
その他、1422年の古文書で既にワイン造りを行っていたことが記されている、コート・デュ・ローヌの生産者サラダンや、南西地方でビオディナミ農法を行うコス・エ・メゾヌーヴも、多くのお客様で賑わっていました。
ワインバイヤーも各コーナーの見どころや注目商品を解説してまわり、それぞれのコーナーでは、ワインのプロである営業スタッフたちがワインについての造りや味わいの特徴、おすすめのペアリングや生産者のこだわりなどを、分かりやすくお伝えしました。実際にワインを味わいながらということで、それぞれのワインの個性や出自をより深く理解していただけたのではと思います。
ソワレヴァン 人気ワイン
今回のソワレヴァンで、特に人気の高かったワインをご紹介します。画像左から ...
■ シャンパーニュ ピオロ / キュヴェ・ムプティ
ピオロは16世紀からブドウ栽培農家として公式記録に記載もある生産者。2009年からビオロジック栽培に転換、2014年にユーロリーフの認定を得て、2020年からはビオディナミでの耕作に移行しています。ブドウの持つ力を最大限にワインに表現するため、単一区画、単一ブドウ品種、長期熟成、ノン・ドサージュでのシャンパーニュ造りを行っています。マッサル・セレクションで植樹されたブドウの木は、畑の微気象や土壌との相性も良く、テロワールを表現したシャンパーニュに仕上がっています。
キュヴェ・ムプティは、良質なムニエ種のシャンパーニュに共通する軽やかな口当たりながらも、重量感のあるスタイルが特徴で、味わいに柔らかさと広がりが感じられます。樹齢約45年のムニエを大樽で発酵・熟成、4年間の瓶内熟成後にデゴルジュマン。年間生産量約1500本。
■ ドメーヌ マルシャン・フレール / ブルゴーニュ コート・ドール ピノ・ノワール
マルシャン・フレールは村名畑、1級畑、特級畑を合わせて9ha所有する、1813年から8世代にわたりに続く歴史あるドメーヌ。ワインを楽しんでいただきたい、出来る限り高品質なワインを、出来る限り求めやすい価格で提供したい、と実直にワイン造りを行っています。可能な限り手作業に拘り、全てのブドウは丁寧に手摘みし、醸造でも樽の有無、除梗率、熟成期間や抽出方など、それぞれのアベラシオンやヴィンテージにあった物を選んで行うオーダーメイド的なワイン造りを行っています。
モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニー産のピノ・ノワールから造られた、正にブルゴーニュ コート・ドールと呼ぶに相応しい1本。フランボワーズや赤い果実の豊かな香り、滑らかで心地よく味わえる高いコストパフォーマンスで、新ヴィンテージが入荷するたびに争奪戦になる人気ワインです。
■ ドメーヌ サン・ニコラ(ファミーユ ミッション) / レ・シュマン ブラン
ロワール川の河口から南に約100kmのロワール地方最西端のフィエフ・ヴァンデアンに位置し、一時は低迷した地域のワインをAOCに昇格させた立役者ともいえる生産者。大西洋岸から数100mに位置し海からの烈風にさらされる厳しい条件下で、現当主のティエリー・ミッションが1993年にビオディナミ農法を導入、1995年に全ての畑で転換を完了しました。現在はティエリーの2人の息子がドメーヌに加わり、新世代の感性がワイン造りに取り入れられています。
花の香やミネラル感に代表されるドライタイプの白ワイン。ブドウ畑の西に大西洋が迫り、その間に塩田が広がるロケーションからか、味わいに爽やかな海風を感じるようです。シーフード、特に貝類やエビ、カニなどを使ったお料理とよく合います。今回のイベントでお披露目した新商品です。
上記ワインは3種をセットにして、期間限定の特別価格で販売しております。ぜひイベントを思い出しながら、またはイベントに足を運んだつもりで、その味わいをお楽しみください。
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