ポルトガルのワインのコラム

【生産者来日イベントレポート①】ポルトガルナイト @シズラー東京国際フォーラム店 〔2024年7月〕

〔7/3〕ポルトガルナイト@シズラー東京国際フォーラム店

ポルトガルから生産者を招いて、東京・京都でワインの試飲即売会を開催しました。今回は東京イベントを振り返ったレポートです。

7月3日(水)『ポルトガルナイト』と題し、シズラー東京国際フォーラム店で、ワイン試飲即売会を開催しました。イベントでは、来日メーカー4社(ルイス・パト/ジョアン・パト、キンタ・ドス・ロケス、ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカ、アソーレス・ワイン・カンパニー)のワインの他、ヴィーニョ・ヴェルデ、ドウロ、アレンテージョ、マデイラのおすすめのワイン70種以上を出品。バイキング形式の豪華なお料理と一緒に、立食形式でお楽しみいただきました。

バイラーダのルイス・パト/ジョアン・パトから、マリア・パトさんが10年ぶりに来日してくださいました。ご当主ルイス・パトさんの三女で、「ジョアン・パト」はマリアさんによって発表されたブランドです。今回の訪問では、インスピレーションに富んだワイン造りへの情熱を語ってくれました。

古くからの銘醸地ダンからは、キンタ・ドス・ロケスのルイス・ローレンソさんとジョゼさん親子が来日してくださいました。キンタ・ドス・ロケスはコロナ禍を除いて毎年日本を訪問してくださっており、ワインの味わいはもちろん、真摯な人柄にも、たくさんのファンのお客様がいらっしゃる生産者です。

〔画像〕右上から時計回りに
キンタ・ドス・ロケス アソーレス・ワイン・カンパニー ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカ ルイス・パトジョアン・パト

ポルトガル三大酒精強化ワイン「モスカテル・デ・セトゥーバル」の産地としても知られるペニンシュラ・デ・セトゥーバルからは、ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカのマーケティング担当ウェイ・スーさんが来てくださいました。「こんにちは」や「ありがとうございます」などの日本語を交えながら、丁寧にお客様にワインをご紹介してくださいました。

今年の春に販売を開始したばかりのアソーレス・ワイン・カンパニーからは、営業担当のマリア・ペルティコーヌさんが来てくださいました。ブドウ畑の景観が世界遺産に登録されており、よく日本のテレビ番組でも取り上げられる注目の産地です。マリアさんは初来日とのことで、今回のイベントが特別な思い出になっていますように。

イベントは賑やかな雰囲気で、会場のあちらこちらから生産者とお客様が語り合う声が聞こえてきました。お料理も、サラダやマリネにカルパッチョ、魚介料理、シャルキュトリー、ステーキ、デザートなど、ワインに合うメニューで美味しいと好評でした。ワインだけでなく、ワインとお料理のペアリングも堪能できてよかったとの声をいただきました。また、余興にはワインが当たる抽選会を開催。当選番号の発表では、お客様の期待と緊張が伝わってくるようでした。

出品ワインはイベント限定価格での販売を行い、皆様それぞれお気に入りのワインをお買い求めくださいました。生産者と過ごしたイベントの一時を思い出しながら、ご自宅でもポルトガルワインを楽しんでいただければ、とても嬉しく思います。

東京・京都イベントで人気を集めたワイン

東京と京都でワイン即売を行い、特に人気の高かったワインたちをご紹介します。
〔画像〕左から

■ルイス・パト / マリアゴメス ホワイト
今回来日いただいたマリア・パトさんのお父様ルイスさんが手掛けるワイン。使われているブドウはバイラーダ地方を代表する白ブドウ品種マリアゴメスと、少量のセルシアリーニョ。セルシアリーニョはセルシアルとアルバリーニョの配合品種で、マリアさん曰く、「この品種を造っているのは世界で二人くらい」とのこと。爽やかな口当たりと切れ味の良い後味で、暑い季節にもぴったり。

■ジョアン・パト / ダックレイ ペットナット
おじい様であるジョアン・パトをオマージュしてマリアさんが発表したブランド。ブランドのコンセプトには、既に他界しているおじい様がダックマン(カモ男)として現世に蘇りワイン造りを見守る、という彼女のユニークなインスピレーションが込められています。ボトルの模様は全て手作業で描かれており、1本1本異なる表情。微発泡で低アルコール、かつ口当たりが良いため、飲みすぎ注意の味わい。

■キンタ・ドス・ロケス / ダン レッド
ダン地方を代表する黒ブドウ品種トウリガ・ナシヨナルをはじめ、多品種がブレンドされた伝統的なスタイルのダンワイン。ダークチェリーやカシスに代表される果実香と樽から来るバニラ香が重なり合い、果実味豊かな味わい。少なくとも10年は熟成が期待でき、コストパフォーマンスは抜群。

■キンタ・ドス・ロケス / エンクルザード
エンクルザードはダン地方を代表する白ブドウ品種。伝統的に複数種類のブドウからワインが造られていたダン地方で、初めて単一品種(エンクルザード)をフレンチオーク樽で熟成させた歴史的なワイン。著名な英国のワイン評論家ジャンシス・ロビンソンも、「過去10年間で最も印象に残ったワイン10本」のうちの1本に挙げています。松の葉のようなハーバルな香りがあり、味わいは果実味がフレッシュで、酸味も柔らかく爽やか。

■ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカ / ペリキータ ロゼ
「ペリキータ」は1850年生まれの、ポルトガルで最も歴史の長いワインブランド。爽やかでフルーティーな味わいは暑い季節にもぴったり。サラダ、ピザ、パスタなどお料理と相性の良いフードフレンドリーなワイン。もちろん、ワインだけでも充分美味しくいただけます。良く冷やしてお楽しみください。

■アソーレス・ワイン・カンパニー / ア プロイビダ
その特異な景観が目を引く世界遺産の島「ピコ島」の畑で造られたワイン。猛烈な海風からブドウ樹を守るため、島中に張り巡らされた石垣の総延長は、なんと地球2周分!「ア プロイビダ」は「禁じられた」の意。イザベラ種は、200年以上にわたってワインを造るブドウとして使われていましたが、ワインとはみなされず、ポルトガル政府から品種名を記載してはいけないとの指導が入りました。品種名を赤く塗りつぶしたラベルから、造り手の反骨精神がうかがえます。味わいは風味豊かでチャーミング。最後に塩味のニュアンスも感じます。

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第二弾の京都イベントレポートはこちらからご覧いただけます。

ポントヴィーニョでは、今後も生産者来日や試飲会のイベントを企画していきます。会員の方にはニュースレターでイベントの案内を行っておりますので、次回の企画もどうぞお楽しみにしてください。

次回、来日イベントレポート京都編に続きます。お楽しみに!

(井上)