ポルトガルのワインのコラム

ジョアン・パトの新たなペットナット

ポルトガル北部バイラーダ地方の生産者「ルイス・パト」は、地元品種「バガ」への従来とは全く異なるアプローチや、アメリカ産台木を使用しない自根ブドウの栽培など、革新的なワイン造りで注目を集めています。更にロンドンのインターナショナルチャレンジのテイスターを務めるなど、その意欲的な活動は衰えることを知りません。

ルイスの三女 マリアは、偉大な父からワイナリーを引き継ぐべく、現在共にワイン造りを行っています。その中で、ワイン造りの原点である祖父ジョアン・パトへのオマージュを込めて、祖父の名を冠した新たなレンジを造り上げました。「ジョアン・パト」は、バイラーダ地方の固有品種と、海からの影響を受ける特異なテロワールを表現しており、ワイン造りにおける人的介入を極力排除した、ナチュラルなワインレンジです。

その「ジョアン・パト」に、新商品のペットナット3種が加わりました。ペットナットは「ペティアン・ナチュレル」(petillant naturel)の略称で、自然酵母による発酵、糖分無添加、瓶内一次発酵を特徴とする2.5気圧以下の弱発泡性ワインです。


〔画像〕ルイス・パト(右)と三女のマリア(左)

ローザ ダック ペットナット

石灰粘土質の畑に植えられた、樹齢30年のブドウが使われています。収穫したフェルナン・ピレス(=マリアゴメス / 白ブドウ)とバガ(黒ブドウ)はバガの果皮と共にプラスチック製の卵型タンクで5日間浸漬させ、温度管理されたステンレスタンクで3週間、自生酵母による発酵を行います。清澄や濾過は行わずに瓶詰めし、更に3ヵ月瓶内で熟成させ、出荷に至ります。

バガの花のような香りと共に、フェルナン・ピレスのフレッシュな果実味が感じられます。また、果実の甘みも感じられ、優しくジューシーで飲みやすい味わいです。僅かに感じられるタンニンが、味わいを引き締めてくれます。澱引きを行わない濁りワインで、ブドウの味わいがそのまま表現されています。


〔画像〕右から「ダッキング ペットナット」、「マリア ダック ペットナット」、「ローザ ダック ペットナット」

マリア ダック ペットナット

砂質の畑に植えられた、樹齢20年のフェルナン・ピレスから造られたペットナット。収穫は全て手摘みで行われます。ステンレスタンクで5日間の浸漬の後、温度管理されたステンレスタンクで自生酵母による発酵を行います。ボトリング後も瓶内で発酵が継続します。

澱引きを行わない、オレンジのペットナットです。フェルナン・ピレスの果皮を浸漬させる製法により、柑橘やりんごの香りが感じられ、爽やかな果実味があり、アクセントに和柑橘の皮のような心地よい苦みが感じられます。ナチュラルな味わいに癒されます。

ダッキング ペットナット

砂質土壌の畑に植えられた、樹齢15年のセルシアリーニョを使用しています。セルシアリーニョは、ルイス・パトが生み出した、セルシアルとアルヴァリーニョの交配品種です。ブドウは収穫後に破砕され、温度管理されたステンレスタンクで4週間自然酵母による発酵を行い、6カ月熟成させます。その後ボトリングし、6ヵ月の瓶内熟成を経て出荷されます。

澱引きを行わない濁りペットナット。ドライな味わいの中に旨みを感じます。オレンジの皮を絞ったような香りが感じられ、フレッシュな酸が豊かに感じられる、セルシアリーニョの味わいをそのまま表現しています。手作業でスプレー塗装された、1本1本異なる表情のラベルにも味わいが感じられます。


〔画像〕
(右)「ローザ ダック ペットナット」の浸漬の工程で使用される、プラスチック製卵型タンク
(左)畑にカモを放飼し、除草や害虫駆除を行う合鴨農法を実践


※ペットナットはよく冷やしてお召し上がりください。発泡性ワインのため、開栓時の噴きこぼれにご注意ください。


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