ポルトガルのワインのコラム

限定!エト・カルタ金銀ねずみラベル

師走、毎年この時期にリリースされるエトカルタの干支バージョンはポルトガルのワイン産地ドウロ地区のワインです。このワインの生産者ニーポート社は1842年からポートワインを造り続ける家族経営の老舗ワイナリー。現当主のディルク・ニーポートが1987年にニーポートに参画するまでは他のポートワインメーカーと同じく、生産するワインのほぼすべてはポートワインで、スティルワインの生産は極少量でした。ディルクはポートワインの産地のドウロ地区で生産されたブドウで良質のスティルワインが造れると確信して、高品質なポートワインを造り続ける一方、積極的にスティルワイン造りを推進して行きます。ニーポートのスティルワインは高く評価されることによって、ドウロはポートワインとともにスティルワインの産地としても高く評価されるに至りました。この30年間でドウロ地区のワイン生産はポートワイン、スティルワインの生産は5050となり、スティルワインの生産は増え続けています。

〔画像〕ディルク・ニーポート:ドウロ地区のワイナリー「キンタ・デ・ナポレス」にて▶

そんなニーポートのスタンダードワインは日本ではエトカルタです。日本ではと申しますのは、ニーポートではこのクラスのベーシックな赤白ワインは仕向け先各国でそれぞれオリジナルのラベルを作成しています。2004年にドイツでのドウロワイン振興のために作った特別ラベル「ファーベルハフト」が大きな成功を収め、その後、ポルトガル本国はじめフィンランド、ベルギーに続き日本、そして英国、アメリカ、ポーランド、南アフリカ、エストニアと世界各国がそれぞれのラベルで販売を開始しました。

〔画像〕キンタ・デ・ナポレス:丘の上部にワイナリー。周りの景観と同化して建設された▶

ラベルの基本構成は12コマ割りでストーリーを展開してゆくもので日本での開発が始まったときにニーポートとドイツ在住のデザイナーともに最初に検討したのは日本昔話でした。桃太郎や金太郎のストーリーを検討しましたがワインのラベルに子供が登場するのは良くないと思われ、検討を重ねた結果12支に思い至りました。干支のそれぞれのキャラクターとワインを合わせて描いたラベルがEtoCartaエトカルタになりました。Etoは干支でCartaは手紙、書付の意味でラベルに描かれたストーリーをイメージしました。

このワインは年間を通して販売していましたがドイツ在住の作家 清水麻紀さんと相談し年末・年始用のスペシャルバージョンを企画しました。

〔画像〕ワイナリーから望む世界遺産の葡萄畑、ドウロの景観▶

2020年の子年向けには干支の大運動会のデザインでリリースしました。赤ワインは2017年ヴィンテージ、白ワインは2018年ヴィンテージのニーポートドウロワインです。2018年の白はフレッシュで果実味豊かに仕上がっています。一方、2017年の赤はこれまでのエトカルタ史上最高の出来栄えといっても過言でないほど素晴らしいヴィンテージ2017年を見事に表現しています。ポルトガルの2017年、特に北部は素晴らしい作柄でスティルワイン、ポートワインとも最高の出来栄えに驚かされます。このエトカルタ2017年も是非味わっていただきたいワインです。ドウロのワインってこんなに美味しいのかと実感していただける1本に間違いありません。

〔画像〕エト・カルタ金銀ねずみラベル▶